上を向く私でいるために

今週は、十勝の広大な大地と、どこまでも続く空に抱かれるような出張でした。

仕事で訪れた場所ではありますが、十勝の景色には、いつも「少し立ち止まってごらん」と声をかけられているような気がします。

大きく広がる空、まっすぐ伸びる道、静かに息づく自然。

そのひとつひとつに触れるたび、日々の忙しさの中で少し固くなっていた心が、ゆっくりとほどけていくのを感じました。

私たちは毎日、目の前の予定や役割に追われながら生きています。

やるべきこと、考えるべきこと、応えるべきこと。

気づかないうちに肩に力が入り、心まで前のめりになってしまうことがあります。

だからこそ、自然の中に身を置く時間は、自分を本来の状態に戻してくれる大切な美習慣なのだと思います。

今回宿泊した北海道ホテルでは、百年の森に包まれた静かな時間を過ごしました。

市街地にありながら、木々の緑とやわらかな光に囲まれていると、時間の流れまで穏やかになるようでした。

源泉かけ流しのモール温泉に身をゆだね、サウナで深く呼吸をする。身体が温まり、余分な力が抜けていくと、心の奥にあった小さな疲れまでも、すっと流れていくようでした。


そして何より心に残ったのは、丁寧なおもてなしです。

さりげない気遣い、あたたかな笑顔、心地よい距離感。

その一つひとつに触れるたびに、私は「自分もこう在りたい」と思いました。

人を整えるのは、特別な言葉だけではありません。

その場に流れる空気、相手を思うまなざし、細やかな配慮。

そうしたものが重なって、人の心はやさしくほどけていくのだと、あらためて教えていただいた気がします。

朝のジョギングでは、ハクモクレンの花に出会いました。

白く大きな花びらを広げながら、どの花も空に向かって咲いていました。

その姿がとても美しくて、しばらく足を止めました。

雨の日も、風の強い日も、きっとその場所で季節を待ち、ようやく花を開かせたのでしょう。

誰かに見られるためではなく、ただ自分の命をまっすぐに咲かせている。

その凛とした姿に、胸を打たれました。

どんな時も、顔を上げていたい。

忙しさに流される日も、不安に心が揺れる日も、空を見上げる余白だけは忘れずにいたい。

ハクモクレンは、そんなことを静かに教えてくれたように思います。

今回の出張では、よきご縁とあたたかな時間に恵まれました。

土地の恵みが詰まった食の豊かさ、人との会話、仕事を通して学ばせていただける時間。そのすべてが、私にとって大切な栄養になりました。

働くことは、時に大変なこともあります。

けれど、誰かと出会い、学び、喜んでいただける価値を届けられることは、本当に幸せなことです。

肌も心もなめらかに整った十勝時間。

また明日からも、顔を上げて、私らしく歩いていこうと思います。

帯広でお世話になった皆様へ、心からの感謝を込めて。

美習慣コーチ® 長谷川 千尋