名店直伝の、じんわりと染み入るだし。

出張から戻ると『O.tone』が届いていました。
札幌観光大使として、毎月テーマごとに“今、本当に届けたい一軒”をご紹介しています。

今月のおでん特集でご紹介したのは
「焼き鳥ぼうず」さん。

昨年の焼き鳥特集で掲載した名店「とり晴れ」さんから受け継いだ技と心が、静かに息づくお店です。

ひと口いただくと、派手さはないのに、奥行きのある旨みが広がる。
昆布や鰹の香りがふわりと立ちのぼり、身体の奥にすっと沁みていく。

そのだしの背景には、人生をかけて挑戦を続ける店主の姿があります。

順風満帆ではない道のり。それでも火を止めず、手を止めず、目の前の一本と向き合い続ける。
その積み重ねが、味となり、空気となり、店全体を包んでいるのです。

名物の“賞味期限90秒”あみあぶら鳥レバーは、まさに瞬間の芸術。

最高の状態で味わってほしいという覚悟が、その90秒に込められています。

一本一本丁寧に仕込まれた串焼きの技が、おでんにも活かされ、滋味深い一皿へと昇華していく。締めのおでん出汁スパイシーカレーは、旨みの余韻を最後まで楽しませてくれる一品です。

私は美習慣コーチとして、いつも「美味しさは習慣から生まれる」とお伝えしています。

特別な一皿は、特別な才能からではなく、日々の丁寧さから生まれる。

火加減を見極めること。
仕込みを怠らないこと。
来てくださる方を想像すること。

その積み重ねが、やがて“沁みる味”になるのだと思います。

家庭的であたたかな空間もまた、このお店の魅力。

扉を開けた瞬間に感じる安心感は、料理だけでなく、人の在り方から生まれています。

美味しさは、人の想いから生まれる。
そして想いは、日々の選択と習慣によって育まれる。

一杯のだしに、人生の姿勢が映る。
そんなことを、あらためて教えていただいた一軒でした。

美習慣コーチ® 長谷川千尋